r&m BD-1 修理について。

先日の作業です。ご近所のお客さまよりご依頼を受け、r&m社のBD-1をオーバーホールいたしました。当店では販売取り扱いの無い車種ではございますが、修理作業自体はお受けできる場合がございます。ここ最近、同車種のメンテナンスやオーバーホールのご相談を複数いただきました。しかしながら、今回の事例は非常に特殊でしたので、2000年前後に生産なされたBD-1系列(OEM車を含みます)、特にストレートフレームのモデルをお持ちの方々は、最後までお読みくださいますよう、よろしくお願いいたします。

まず基本的に自転車に限らず、機械製品は経年劣化があるものです。自動車やオートバイ等では、定期的な法令点検が義務付けられておりますが、自転車においては、ご使用なされる方の心がけ次第です。前職とあわせて16年ほどBD-1系列に触れてまいりましたが、これらのフレームは、個人的経験上ですが、10年を過ぎるとフレーム/フォーク/スイングアーム/シートポスト/ステムなどのアルミ部材の特定箇所に、ひび割れを生じてくることがございます。これらの事例は、ご乗車の走行距離やこれまでの累積負荷ではなく、経年により生じている印象を持っております。それは、ガンガン乗っていた車体に限らず、ほとんど乗らなかった車体でも発生しうる、ということです。

今回の車体は、当店へお持ち込みの際には、幸いにもどの部分もひび割れておらず、性能復元のための簡便なオーバーホールをご依頼くださったわけですが、BD-1ならではのウォークポイントともいえる、上記の旨をご説明させていただきましたところ、お客様ご自身が非常に大切な思い出のある個体であることと、当店からすぐお近くにお住まいであることーつまり、何かしらの異常があればすぐにお持ち込みいただける環境でお使いということです。そして、当店の倉庫にたまたま部品取り用の車体を3台有していたこともあり、これらの中で最も状態の良い部品を捻出し、交換作業を行った次第です。もちろん、今後ひび割れが発生してしまうかもしれませんし、そうはならないかもしれません。ですので、お客さまには異常を感じられたら、すぐに当店へご連絡・お持ち込みくださるようお伝えしておりますし、その点につきましては、ご了承をいただいております。重ねて申し上げますが、特殊な事例でした。

正直なところ、販売や修理を行っている立場ではありますが、多額をつぎ込んで修理を行えば、新車へ近づくことはあっても、新車になるということはございません。特に、軽量な自転車は、その軽量性と引き換えに、耐久性は決して高くはございません。自転車を大切になされるのは、非常に素晴らしいことですが、不意の破損による事故のことを考えますと、さまざまな思い出とともに、愛車を降りるという選択肢も、決して除外なさらないでいただきたいと思います。もちろん、BD-1の設計が良くない、ということではございません。10年を超え20年近くもお使いいただいた自転車だから発生しうることと、改めて記しておきます。

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