先日の作業です。2007年製造のBrompton M3Lをオーバーホールいたしました。かなり使い込まれた車体でしたので、フレーム単体まで分解し、リアヒンジ、メインフレームヒンジも分解し洗浄、交換を実施。塗装部は徹底的に研磨し仕上げました。ここまで可能なのはBromptonならではです。
最近では少なくなってきたFixedクランク。細身のシルエットがクラシカルな雰囲気、かつ軽量ですが、その名の通りチェーンリングが固定なされておりますので、摩耗時には交換を余儀なくされます。2013年から現行クランクへ変更されたため、当店のストックから状態の良い中古品を引っ張りだしてきて、分解し洗浄いたしました。
前後とも度重なるブレーキングでリム側面が摩耗しておりましたので、こちらも当店の在庫から旧型のシングルウォールリム（※現在は廃盤）の新品ホイールへ交換。駆動系はスプロケット（厚歯）、チェーン（厚歯用※現在は廃盤）、アイドラープーリーはシマノ製品を流用可能。フェンダーは割れておりましたので現行品へ交換（前後共）、ステーは曲がっていたので修正の上研磨し再使用。前後ブレーキキャリパーも分解し洗浄の上再組立て。
上記以外には、これらを交換いたしました。（）内はその理由です。
・メインフレームヒンジ（錆びついて動かない）
・リアヒンジブッシュ一式（ガタが大きい）
・シートスリーブ（摩耗）
・シートポスト（錆）
・前後タイヤとチューブ（摩耗、劣化）
・ヘッドセット（ガタ大、上下ワンの錆）
・ブレーキワイヤー前後、シフトワイヤー、インジケーターチェーン（アウター破れ、インナー錆、摩耗）
・ハンドルバーキャッチ（破損）
・右ペダル（破損）
・ブレーキシュー（摩耗）
正直なところ、Bromptonの輸入代理店移管により、一部部品の入荷にかなりの時間を要しました。また、これだけの作業ですので、費用もかなりのものとなりました。しかしながら、ことBromptonに関しては、ほぼ元通りと言っても差し支えないほどに復元が可能です。今回は洗浄と研磨だけで済ませておりますが、さらにフレームの再塗装まで行えば、それこそ新車と見間違うほどまで仕上げることも可能です。もちろん、新車価格を大きく超えてしまうほどの費用になってしまうのですが、これまでの長い時間を共にした相棒ですから、単純に価格だけでは比べることはできないことと思います。
大変長らくお待たせをいたしましたが、非常に嬉しく、楽しい作業でした。ありがとうございました！
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