先日の作業です。お客さまよりご依頼を受けて、ブリヂストンのエマルジェンをメンテナンスいたしました。阪神大震災の教訓から、非常用自転車として発売されたものです。以前、個人的にも所有していたことがございますが、現在の視点で見ても、まじめに作り込まれているなと思います。
とは言え、エアレスタイヤと銘打って標準装備されていた、ウレタン製と思われるタイヤインナーは、経年劣化で収縮してしまっており、タイヤもろとも切断して取り外しました。ステンレス製リムにはバルブ穴がありましたので、当店定番のDUROタイヤと英式バルブチューブへ交換。駆動系は状態が良かったため、分解して洗浄→注油です。
鉄製のブレーキキャリパー。フロントフォークにはBSロゴの鋳込みがあります。国産ならではの作り込みですね。ヘッドチューブはメインフレームパイプ幅へ合わせるように膨らませてあります。
独特な形状のハンドルバーですが、コンパクトな車体ながらも、それなりに乗りやすいポジションが確保されています。このあたりも、ポッと出のメーカーではない、きっちりとした仕事が見て取れます。ハンドルとステムを分解し、シートポストを抜き、メインフレームを分解すれば、押し入れ収納ケースに収めることが可能です。
標準のままでは、リアブレーキワイヤーがつながったままですので、これを分割式に工夫すれば、デモンタブル車として面白いものになりそうです。この度はありがとうございました。
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