正倉院展。

この数週間というもの、週末ごとに悪天候でしたね。自転車店という商売柄、天候や季節の影響を多分に受けるのですが、自分の力の及ばないところに対しての苛立ちなどは全くなく。まあ、こういう日もありますわな。

店舗という形態をとっている以上、全く目を背けることはできませんが、バリバリと組み立て調整して売りまくる!というのはどうも性に合わないみたいです。「良いものをご提案→売れる→お客様が喜んでくださる→少しだけ儲かる→お店が継続できる」がお客さま/当店のいずれにとっても理想ではないかな?と思います。

バブル期のような自転車ブームはとうに過ぎ去り、しっかりと実力の伴った自転車メーカー、輸入元、販売店だけがやっとのことで生き残ることができる状況。もちろん、製品力だけではなく、お客さまのことを考えた製品づくり、メーカー→販売店→お客さまの流れが明確であったり、頻繁なモデルチェンジを要しないだけの製品力。(ここが欠けているところが多い気がいたします)そのような状況の中で、当店のような零細店舗がいかに立ち回るのか?決して追い風とは言えない状況で、たくさんのお客さまにかわいがっていただいている、とても有難い現状を鑑みて、本当に皆様にお役に立つことができているのか?自己的ではなく、利他的な行動が伴っているのか?と自問自答する日々です。

閑話休題。

つい先日の木曜日。奈良国立博物館へ行ってまいりました。休みでしたから、リビングでボケーとしていたのですが、何となく愛車のBromptonを走らせて、引き寄せられるように近鉄の大阪上本町駅へ行きました。特段の予定もなかったので、ふっと思い出して近鉄で輪行して奈良駅へ。予定も立てておりませんでしたが、目に付いた看板から、「第69回正倉院展」が開催されていることを知り、そのまま会場までひとっ走り。

ふと、小学校の時の記憶が思い出されます。

社会科の授業で知った正倉院と、収蔵された宝物の数々。校倉造の機能と宝物の保存状態にとても驚いたこと。積極的に自分の中へ取り入れたい!という欲求がわいてくる感覚。教科書の中の青いガラスの器の写真をずっと見ていました・・・。しばらくするとそれらが電気的接続のようにつながり、自分の中に柔らかな明かりがともります。胸中からあたたかくなり、でも脳はひんやりとさえわたる感覚。

後はほぼ無意識的行動でした。手荷物としてBromptonを預けてからチケットを購入。あ、先に並んでおられた女性から割引券を頂戴いたしました。ありがとうございました。30分ほど並んでから入館。

当然、館内は撮影禁止でしたので、文字列だけでご容赦いただきたいのですが、天平文化という現実味すら感じない時代の製品が素晴らしい状態で眼前にある、という感覚!当然ながら館内は人人人人。自分の小ささ、世界の大きさ、時間の重み、継承することの重要性、などなど。様々な感覚が通り過ぎます。でも、ピンと張りつめた会場の空気の中で、時間を超越した美しい器が輝いている、という現実。

とまあ、逸脱いたしましたが、この小さな自転車店、おかげさまで何とかやってきております。高校生の時に初めて買ったMTB。自分の行動半径の拡がりにワクワクした感覚はいまだに覚えています。くだらない自分の小さな悩みなど消え失せて、もっとシンプルに、自転車文化の拡がりを信じて、自分なりにできることを続けるのが最善なのかな。

トンネルの出口がきらりと見えた気がする小旅行でした。