Brompton M3R シートスリーブと駆動系の交換です。

本日の作業です。前職時代からのお客さま、2008年式のBromptonをご愛用下さっております。後輪のパンクとのことでお持ち込みくださいましたが、せっかくですので全体的な点検を行いましたところ、シートスリーブの摩耗が非常に大きく、シートクランプの固定が緩い状態でした。過去の事例にも記しておりますが、ここの摩耗が進みますと、最悪の場合はフレームの一部が割れてしまう可能性(実例はこちら)もございますので、事情をご説明し早急に作業いたしました。

それ以外には内装3段ハブのガタが大きく、分解洗浄ののちグリスアップと調整にてクリアーしたものの、チェーンの伸びが大きく、前後のスプロケットとともに要交換という状況。しかしながら、15Tの3/32チェーン用リアスプロケットは既に入手困難ですので、50×15Tの現状に対して、44×13Tの近似ギア比をご提案させていただきました。これでしたら、当店の旧型クランク中古部品の在庫があり、今後のリアスプロケットの入手にも困りません、ということで快諾くださいました。

交換した右クランク。BBも現行品とは異なります(こちら)。旧ロゴと仏Stronglightのマークが誇らしげ。フレームの年代ともきっちりと合う部品です。今となっては、ご覧になられたことのない方々も多いのではないでしょうか。もちろん、中古部品はその時々での在庫状況は変動いたしておりますので、必ずしも対処できるわけではございませんが、今回は比較的うまく解決できたことと思います。

上記以外には、ヒンジクランププレートの交換と軸への注油、リアブレーキキャリパーの増し締めと注油、劣化していたBromptonロゴデカールの貼り替えを実施いたしました。

パッと目を惹く、びっくりするようなカスタマイズも素晴らしいものですし、それ自体は否定いたしません。しかしながら、眼前の修理作業に対しても、最大限の知識と工夫を総動員して解決することも、分け隔てなく同列で取り組んでまいりたいものです。

昨日の記事に続いて、Bromptonの事例が続きましたが、当店では基本的に各社の設計思想をできるだけ汲み取った作業を心がけております。BromptonだけでなくDAHONにも、樹脂部品が使われている部分には、そうであるべき理由が存在しており、安易な部品交換は大きくその耐久性を損なってしまうことが多いな、、と感じており、それはカスタマイズとは言い難いと考えております。お客さまの意向をくみ取りつつも、自転車を生業としている以上、大きく寿命を縮めててしまう可能性が高い作業は、果たしてお客さまのためなのだろうか?自転車のためなのだろうか?客観的な視点も必要だと考えております。

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