Bromptpn シートスリーブの交換です。

本日の作業です。ずっとお世話になっているお客さまのBromptonなのですが、シートクランプの固定力が低下してきて、ナットを締めこんでもシートポストが動いてしまうとのこと。通勤でお使いですので、折りたたみ頻度もなかなか。

シートポストの汚れや錆が著しくなり、表面の凹凸が生じてくると、フレーム内部のシートスリーブという黒いパイプ状の樹脂部品の摩耗が進行しがちです。ガイドパイプを挿入してみると、車体後方側のシートスリーブが薄くなってしまっているのがよく分かります【画像上】。そのため、シートクランプのナットも大きく締めこまざるを得なく、本来平行であるべきクランプ割部が閉じ気味になっておりますね。

こうなると、シートスリーブの交換をお勧めいたします。このままではシートポストが十分に固定できないばかりか、最悪の場合はフレームが割れてしまうことも(→こちらの記事内・緑色のフレーム)あり得ます。

古いシートスリーブを抜き取り、内部を洗浄後、新しいものを所定の方法で接着。十分に乾燥させた後、専用のリーマーで慎重に切削いたします【当記事トップ画像】。今回はシートクランプの作動もよろしくなかったため、新品へ交換。無事に修理完了です。

シートスリーブの厚みが前後方向に均一となりました。もちろん、クランプ割部はきっちりと平行に、ナットの出代も適正へと戻りました。

一部の社外シートポスト製品では、意図的に純正品よりも外径を細く仕上げてあったり、加工時の挽き目を意図的に大きく残してあったりするものもあるようです。そのような設計意図とずれた製品は問題外として、強度よりも軽量性を重視した製品では、荷重で後方へ大きくしなってしまうことも多く、シートスリーブへかかる負担が大きいため、その摩耗進行が早まってしまうことが懸念されます。過去には純正品でチタンシートポストやアルミシートポストがございましたが、現在では生産されていないことからも、軽量性と耐久性は相反するものであると思っております。

このように、シートスリーブの交換が可能とは言えども、部品および作業の費用、要する時間など諸々を考慮いたしますと、当店におきましては、シートポスト及びシートクランプは純正部品のご使用を強くお勧めいたしております。もちろん、カスタマイズを否定するつもりではなく、あくまでも販売・修理を行う側からの、一つの考えとしてお受け取りいただけましたら幸いです。

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