続きます。
翌日もBrompton社での研修です。朝食の後、皆でTubeにて輪行して向かいます。研修はこの日が最終日です。
地下鉄の車両は、画像をご覧いただければお分かりになると思いますが、トンネル断面形状に合わせて、カマボコ状になっています。鉄道発祥の地でもあるイギリスでは、地下鉄の開業当初のまま現在でも使用している箇所は多くあり、やはり現代の目線で見た際には、少々小さいのでしょうね。車両限界ギリギリまで大きく取られた形状、なかなか愛らしいと思います。輪行袋は不要、そのまま持ち込みOkです。
少々それましたが、無事に到着いたしましたので、階段下の駐輪スペース(画像左)に置かせていただきます。一緒に置かれていた車体、Brompton Bike Hireの車体です。専用のロッカーへ収納されているBromptonを、所定の場所で借りることができる、というもので、専用の車両が用意されています。
画像をじっくりご覧いただければ、各樹脂レバーの色が異なっていること、フレーム上部に手順のイラストが描かれていることがお分かりになっていただけることと思います。イラストは操作手順を表していて、それぞれに操作するレバー類と連動したカラーになっています。
折りたたみ状態は黒、一つ進んで赤はステムヒンジのクランプ。その部品は赤色、というように、とてもわかりやすくなっています。良いアイデアですね!
その後、マーケティングのリンリンより肝心要の工場内各製造工程などを説明いただきました。5年前に訪問した旧工場から先日移転し、製造を再開したのはつい先日とのことで、まだ片付けきれていないとのことですが、仕掛かり品の移動は出来るだけ少なくて効率の良い方法を取られている印象。撮影に対しても、各工程のスタッフの方々は気さくに応じてくださりましたよ。
ちょうどニッケルブラックエディション用のフレームを生産しているところでしたので、どこが通常品と異なっているのか、Rawカラーとはどこが異なるのかなど、とても詳しく説明くださり、なるほど〜を連発しておりました(笑)。
そんな各工程ですが、この日はシートチューブとシートバンド部分のWelding工程には、女性(しかも可愛らしい!)が従事されていました。手際よく治具へセットして、丁寧に作業をされていましたよ。
前後いたしますが、ニッケルブラックエディションは通常品とは異なる処理のため、磨きの工程が今まで以上に手間を要するとのこと。仕掛かり品の保管も専用の箱が用意されていましたよ。通常品以上に丁寧に取り扱っているのが分かりますね。
組み立て工程は円周状になっていて、作業台車にセットした車体へどんどんと組み付けていきます。次工程へは台車を移動させて最終的に完成した車体は台車から降ろされ、また最初の工程へ渡されます。効率の良い組み立て工程です。
その後はwelldingと呼ばれるロウ付け工程の体験。想像していた以上に難しかったのですが、約800度で真鍮ロウ材を用いて接合いたします。母材を溶かさないので製品強度のばらつきが少ないために、Bromptonではロウ付けを採用しているそうです。
その後、マーケティング部門から、Bromptonの今後のブランディングについての座学。今後の目標値と達成のための準備状況などをご説明いただきました。Bromptonはもちろんですが、輸入元であるミズタニ自転車さまとともに、どのように知っていただくか、どのように正しくお使いいただくか、そして販売店がどのように進めていくのか。今までよりも深く知ることができ、より愛着を持つことができました。
全ての研修が終了した後に、創始者であるアンドリュー・リッチー氏と記念撮影をさせていただきました。お会いしたのは2度目でしたが、覚えてくださっていたのが非常に嬉しかったですね。終始柔らかな口調に、改めて惹かれておりました。
研修はこれにて終了。あとは残り時間を活用すべく、同行してくださったサイクルテックIKDの吉田さまのご提案で、FARMの小田さまと一緒に、ロンドン市内まで自走で戻ることにいたしました。
長くなりましたので、また続きます。もう少しお付き合いくださいませ!