先日の作業です。友人よりご紹介をいただいたお客さまのCannondaleのロードバイク。長い間乗られていなかったために、STIレバー(ST-6501)内部のグリスが固着、変速が全く作動しない状態でした。これを機にしっかりとオーバーホールを行い、気持ちよくお乗りいただける一台へと仕上げました。
まず、フレーム単体まで分解、ヘッドパーツはベアリングを取り外して洗浄、グリス入れ替えです。リアディレーラーはプーリーが経年で割れておりましたので、代替品を手配。現在でも使用可能な部品が入手できるのは嬉しいところ。
前後のハブは古いグリスを洗浄、新しいグリスを入れて玉あたり調整と振れ取り。リムテープとチューブおよびタイヤは交換いたしました。リアスプロケットも分解して洗浄。タイヤはコンチネンタルのグランプリを使用。サドルはFizi:kのアリオネ。ある程度の快適性を優先してのセレクトです。
懐かしい!フライトデッキは電池を交換し再設定。STIレバーの洗浄の際には、フライトデッキのセンサーやフラットケーブルを溶剤で傷めてしまわないように気を遣いましたが、何事もなかったかのように動作してくれると、ほっとすると同時に、整備を行ったものとしては嬉しくなるものです。
ハンドルバーおよびステム、シートポストは、ブラックへ変更したいとのご希望でしたが、交換してしまうのももったいですし、、、全体的なシルエットも優先し、現状のものを黒色アルマイト着色。お持ち込みくださった際には、光沢の美しいシルバーのモノでしたが、これでグッと引き締まりました。バーテープはヌバック調のものとして、サドル中央部の質感との関連性を持たせてみました。
あくまでも私の個人的な見解、という前置きをしつつではありますが、基本的には、大きく時代の異なる製品を用いることはせず、全体的なシルエットや色調、素材の質感などをある程度統一することを特に意識しております。もちろん、チェーンやスプロケットといった機能部品はその限りではありませんし、お客さまのご希望を優先するものは当然です。
今回は、ある程度はこちらへお任せくださいましたので、ハンドルバーとシートポスト、ステムをむやみに変更せず、着色での外観カスタムにとどめた点、サドルとバーテープの素材感を揃えた点がそうですね。細身な1インチスレッドヘッドのこの自転車へ、現在のオーバーサイズのアヘッドステムを組み付けるのは、自転車全体で見たときのバランスが崩れてしまうような気がいたします。例えるならば、0系新幹線電車に、シングルアームパンタグラフを装備するような違和感(笑)というところでしょうか。
今回の車体につきましては、保管状況が非常に良かったようで、経年劣化の部分を除いては、お客さまのお好みから変更した部分だけでした。9速時代のアルテグラですが、現時点でも互換性の保たれた消耗品は入手できそうですし、STIレバーの内部構成、フライトデッキの構造も理解できました。とても良い機会を与えていただけたなと思っております。ありがとうございました!
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