意義ある一台。

昨日の当ブログにてご紹介した、新家工業さまのCCL。細かな説明は前記事をご覧いただくこととして、私自身としてはこの車種が発売されたことが、非常に嬉しく感じております。

新家工業さまのような大きなメーカーが、cycleさまとのコラボレーション企画と言えども、ここまで明確に車両コンセプトを具体化しながら、決してショーモデルや限定販売車ではなく、量産車としてカタログに掲載してきたこと。小柄な女性向け、というだけで見込み販売台数は少なくなりますし、ましてや370mmサイズは150cm未満の方向けの設計で仕上がっていますので、よりユーザー予備軍は少なくなるはずです。

でも、フレーム寸法や各部品選定など、細部にまで行き届いている設計思想は、「小柄な女性でも気持ちよく、楽しく自転車に乗っていただきたい」、「私たちでも気軽に、快適に乗ることができる自転車が欲しい」という二つの大きな願いなのです。やっとのことで出てきたこの小さな自転車には、そんな思いがぎゅっと詰まっているような気がします。商売上は不利なカテゴリかも知れませんし、ここまでの作り込みで52,500円という価格設定も、決して利幅が大きいとは思えません。

それでも、長い時間をかけて、こんなに美しい自転車としてこの世に出てきてくれました。小柄な女性が気軽に使えるスポーツ自転車として、市場へ一石を投じる一台。この日本にも自転車の文化が根付こうとしつつある昨今、それを大阪の企業たちから発信し始めたこと、非常に意義ある一台だと思えてなりません。